
あらすじ
重要な試験に落ちた。大学の戸籍も。
今、なくなった。
奨学金の返済だけが残った。
もう目的もなくなった。
気づくと外国領の庭に居て
捕まって ぶたれそうになる。
もういいか…と思ったのに
目の前で、なにかが爆散した。
舞台設定
[架空の日本]
もし日本がオランダではなく、イギリスに開国していたら…
というIF設定。
[統治]
日本の中にイギリス領事館がちらほらあって、
うろつきまわっていた主人公が、ここに入ってしまう。
[文化]
洋服がかなり早くから、高額で輸入されてきた。
[ギブスの触媒石]
物理化学法則(熱力学第二法則)を捻じ曲げる。魔法のような石が発見されている。
この石が、武器や乗り物の動力源として応用されてきた。
冒頭の爆散も、石の代表的な現象。
登場人物
真里亜=ウィルキンソン:田口 [主人公]
1. 始まりの「過去問」
大学で生き残るために必要な「過去問」が手に入らない。
周囲が、内側のコミュニティでそれを回し合い、要領よく進級していく。
彼女は「友達がいない」という、たったそれだけで、教授の冷徹なペンの結果を食らい、IDが大学のデータベースからデリートされたその日、彼女は自分の人生のパース線が、完全に消失点へ行くのを見た。
2. 涙を流せない眼
試験に落ち、未来がへし折れても、「悲しみ」は発生しなかった。
マイナス思考の沼の底に沈み、世界のすべてをあきらめたのに、眼だけは不気味なほど乾く。泣き方を知らないのではない。最初から、感情のシナプスがどこかで切れているのだ。
3. ぼさぼさ頭と、同一服で擬態
鳥の巣様のぼさぼさ髪は、他者との境界線をあいまいにすることをリアルタイムに試みている。
毎日着ている、首元の伸びきった同じ服。それはファッションへの無関心というより、朝、服を選ぶという「思考負担」によって脳内メモリを消費しないためだ。
「他人に合わせる」という処理を脳の受容体が拒絶するため、誰かと目が合っても、視線を斜め45度へ逃がしてしまう。
4. 漆黒の燃料
彼女の静脈を流れているのは、あの炭酸の不条理な残霧かもしれない。
5. 商店の上のセーフハウス:期限切れアイランド
彼女が潜伏している下宿。その1階は、古い個人商店だ。
人付き合いが苦手なはずの彼女だが、1階の店主とは「期限切れの廃棄コーラをケースごと無言で受け取る」という、方程式だけで奇跡的に繋がっている。
部屋の隅に平積みされた、賞味期限の切れたコーラ。
ラベルの印字が過去の日付を指しているその島の上で、彼女は世間から大気圏内へと隔離されている。
れぶみさん [下宿の管理人のお姉さん]
現在、主人公が唯一会話してる人
友達のいない主人公を心配している
最近離婚して、実家に戻ってきた。
下宿の管理をしている(実家の家業。商店も経営。)
怒ると刀を振り回して、家の中を破壊する
昼頃に集まってくる野良猫(クルックー)の世話が好き
主人公に期限切れコーラを提供しているのもこの人
しのぶ [主人公のライバル]
大学生
父親がフランスの貴族
故あって、日本にいる
厳格な父のもとで、男のように育てられる。
(過去に身分違いの幼馴染の友達がいたが、
父親がその幼馴染に、「もう話したくない」と言わせて、引き離した)
家族以外の男性と話すことが禁じられている。
会話する場合は、付き人(おね)を通して行う
執着心が強く
とある出来事から、主人公を憎み
大学を辞めさせるように仕向けた(過去問は主人公に意図的に渡らないようにされた)
弟を自分以上に大切にしている
甘党
少佐
イギリス貴族出身の三男(27歳)
冒頭で捕縛された主人公の尋問を行うことになる人
元々は大学の助教だったが、戦争が始まり、軍からの招集がかかった。
ギブスの触媒石の有機化学的実験研究が専門
10年前に学校をサボって早退したとき
“今現在の主人公”にそっくりな人物に出会っている。
マギネス中尉

第2話で、初登場
元々は、市中病院の研修医(24歳)
(童顔で19~20歳くらいにみえる)
孤児院で育ち、同じ孤児を守るために医師になった。
孤児院の援助と
同じ孤児院出身の仲間たちの面倒も見ている。
現在は、”表向き”軍医として働いている。
貧しい人を放置して、贅沢をする貴族を良く思っていない。
当初、主人公は貴族の娘だと思っており、当たりが少しキツイ。
会話が進むにつれて、主人公が苦労人だとわかり、態度を改める。
やがて、主人公の兄弟のような存在になる
復学しても、クラスに馴染めない主人公の話を
講義がない時に聞いてあげる
本編で、主人公の監視役になった理由が説明されるが
時間のある部署に勤めているというのは、嘘である。
戦場では、その名前を聞くだけで、敵が恐怖するほどの人物
イギリスの血を引きながら、孤児であったため(イギリス人は基本富裕)
いじめられていたことがあり、
仕返しの喧嘩をするたび、狂気を内に秘めるようになった
(この頃のストレスで、本来金髪の髪が灰色になった)
令佳

Chips1に登場
後に研究者(医学博士)
数値計算が苦手であり
患者に危険がおよぶことを恐れて
医師免許は取らなかった。
類いまれなる”記憶力”の持ち主
本を読み切るスピードが、異常に早く。
読み切ると捨てるクセがある。
本人曰く
「計算で、数字を1つに決めること自体が、苦しいと感じる」
買い物で、しょっちゅう、計算を間違える。
登場するもの
ギブスの触媒石+
物理化学法則を捻じ曲げるとされる不思議な石
武器や乗り物の動力源として、軍内部で非公開に使用されてきた。
粉末にして用いられる。
使用する場所に、粉末をバラまいて使用したり
再度、粉を、ふんわり固めて、投げつけたりする
一定の濃度以上になると
空気中の酸素が異常に結びつきやすくなる。
そこに、静電気などのキッカケがあれば、急速に燃え上がる。
濃度にはしきい値がある(これ以上だと燃える、これ以下だと燃えない濃度の値)
しきい値以下だとかえって燃えにくくなる。
そのため、燃える空間と燃えない空間がハッキリ別れる。
気体にのみ作用する。
使用者は、自身の作った理論に基づいて
原料それぞれの配合量を変化させる
その出来、不出来が
そのまま、使用者の評価になる
保管や携帯は
不完全なギブスの触媒石-と一緒に行う
(平時は効果を相殺するため)
不完全なギブスの触媒石-は
期限が過ぎると、ただの石となる
それでも、大変貴重で、高額で取引される
完全なギブスの触媒石-は
未だ人類は、精製に成功していない
空挺機


ギブスの触媒石を動力源とする。
基本部分は木製の飛行機。
エンジンは、2つ左右についている。
上に向かうほど、大きくなる空気の取り込み口がある。
下に行くほど狭くなる。
ギブスの触媒粉を使って
エンジン内で、急速に酸素を燃やし続けると、
エンジンの上部の酸素濃度が薄くなっていく。
さらに上向きプロペラの力を借りて、ふわふわ浮いていく。
時速は30キロほどしか出ない。
実戦は行われず、意匠を凝らしたデザインのものも存在する。
内部は広く、パイロットは、内部で空を眺めながら、のんびり過ごす。
講義がない時は、主人公はなんだかんだ理由をつけて
マギネス中尉にお願いして内緒で、
乗せてもらうようになる。(クラスに居場所がないため)
広い機内で大学の課題を解いたり、コーラ飲んだり、お菓子を持ち込んだり。